世界の水不足で悩んでいる地域が無くなるかも
まさに画期的な装置を、オーストリア・ウィーンにある応用美術大学に通う工業デザイン学科の学生(KRISTOF RETEZÁR)が開発しました。なんとその装置を自転車につけて走るだけで、空気中の水分を取り込み、ペットボトル1本分の水を生み出すというものです。
引用:Fontus
実際にどのような仕組みで空気中から水を取り出しているのでしょうか?
まず、空気中から水を取り出すには空気を冷却しなければなりません。そこで、パソコンのCPUの冷却、車などに乗せる小型冷温庫、医療用冷却装置にも用いられている小型な半導体「ペルティエ素子」を取り付け、空気を冷却して水を取り出す仕組みを完成させました。
「ペルティエ素子」は簡単に言えば、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するというペルティエ効果を利用した板状の半導体素子のことです。
これで空気を冷却し、最大で500ミリリットルの飲料水を1時間で作ることが可能になったのです。
国連の統計によると、世界の人口の約40%にあたる20億人が水不足の危機にある地域に住んでおり、2030年には世界人口の47%が水不足に陥るとの予測が出ています。
そこでKRISTOF RETEZÁRさんをはじめとする研究チームがこの問題を解決するために空気中に含まれる水分に目を付けこの装置を開発したのです。
空気中には1万3000立方kmの未開発の新鮮な水が含まれているという概算から、この豊富な水資源を利用しようと考えたのです。
実際に、汚れた空気でも綺麗な飲料水が出来るのか、どんな環境でも安定して生成できるのかといった問題もあるとは思います。
しかし、自転車に取り付けるだけという簡単な装置で、世界中の水不足が解決し、そこにいる人々の生活が改善されれば素晴らしい開発ですね。